最近、読んで面白かったと感じた本をぜひ紹介させてください。
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「たった三行で会社は変わる」変化と行動の経営
(株)サトー 代表取締役執行役員・CEO 藤田東久夫
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株式会社サトーは、バーコードや2次元コード、ICタグなどの自動認識技術を駆使して、人やモノの情報を的確かつ効率的に収集する独自のビジネスモデルを確立している日本を代表する優良企業の一つです。
今回、注目したのは、本のタイトルにもなっている社内制度「三行提報制度」。
引用;P132
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三行提報とは、社員一人ひとりがトップ(社長・会長)あてに毎日3行127文字の提案や報告を上げてくるというもの。三行提報の原型は1976年にさかのぼる。最初はB5判1枚の報告で幹部のみ提出していたものが、短文化し、社員全員へ展開していった。
当初は「企業日報と称していたのだが、幾多の変遷ののち現在の「会社を良くする創意・くふう・気づいた事の提案や考えとその対策の報告」という長い名称になった。
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この三行提報はいわば、今では当たり前になっているミニブログTwitterの元祖だと言える。
たったの三行127文字。気軽に気づいたことをつぶやける。
これだったらなんとか毎日続けられそう気が誰しもがしてきます。
引用;P177
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三行提報の効用については、
(1)社員の考える力、文章力の向上
(2)毎日のネタ探しからくる問題意識の向上
(3)何でも言える(言わざるを得ない)自由闊達な社風の醸成
(4)内部告発リスクの先取り(これも毎日のネタ飢えによって促進される)
(5)変化を喜ぶ体質の育成(これも毎日のネタ飢えによって促進される)
(6)情報に対してトップを謙虚にさせる
(7)ベスト(ワースト)プラクティスの共有
(8)ミクロとマクロの創発(アイディアの宝庫=創発インフラ)
(9)個の中に全体を見出す(環境把握)
(10)社員を前向きにする(経営参画意識の向上)
(11)リアクションによってトップ指示の浸透度が測れる
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現在、私はほぼ毎日ブログを更新しているので、特に上記の(1)、(2)、(3)に強く共感します。毎日更新しなければ、という心地よいプレッシャーが社内外に対する様々な情報への感度を高めてくれます。
引用;P184
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三行提報はファジー(ある程度あいまい)に運用しないと様々なデメリットを露呈するかもしれない。トップがちょっとした情報に過敏に反応して混乱を招いたり、部門間にまたがる悪い情報によって誹謗中傷が始まったりする、といったことである。サトーは長い歴史によって、ファジーに運用することを学習している。極端に反応しなくても、何となくことの推移を見守っていけば、毎日の継続の中から重要なものは浮かび上がり、無視してよいものは沈んでいくことを知っている。
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一般的に、社内に新たな制度を導入する際は、ついつい張り切って力が入りすぎてしまって、結果的に空回りしてなかなか定着しなかったりします・・・。
短期的な成果に飛びつくのではなく、より長期的な目線で、日本人特有の感覚=「良い塩梅」を大切にすることが、良い行動や制度を定着させる秘訣なのかもしれません。
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