引用元:<http://www.tel.co.jp/museum/magazine/news/065.html>
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コンピュータで制作した3Dモデルをそのまま出力できる「3Dプリンター」は、製造業を始めとした様々な分野で大きな話題を呼んでいる。
フィギュアやアクセサリーなどの小物から、自動車のエンジン部品、さらには「Urbee2」のように車体全体を3Dプリンターで作ろうという試みもある。建築分野でも3Dプリンターは注目されており、「D-Shape」という製品が登場している。
多くの3Dプリンターと同じく、D-Shapeはレイヤーを重ねながら造形する方式をおとっており、まずコンピュータで作った3DCGモデルが、5mm刻みのレイヤーに分割される。
そして、D-Shapeから一層分の砂がシート状に敷かれ、必要な箇所に凝固剤が噴射され固められる。そして、また次の層が敷かれて、凝固剤が噴射され……というプロセスを繰り返し、最後に余分な砂を払えば、造形物が得られるというわけだ。
このD-Shapeを使って、月面基地を作ろうというアイデアも出てきた。イギリスのフォスター+パートナーズは、ESA(欧州宇宙機関)と協力して、計画の実現性を検討することを発表。
この計画では、ロケットによって3Dプリンターと筒状のモジュールを月面に運ぶ。筒型モジュールの端からエアドームが膨らまされ、このエアドームを覆うようにして3Dプリンターで壁を印刷していく。
壁の材料となるのはレゴリスと呼ばれる月の砂である。壁は、放射線や隕石、急激な温度変化を防ぐために、細かな空間に区切られたセル状構造になっている。セル状構造の例としては鳥の骨が挙げられるが、こうした構造にすることで、軽量さと強靱さを両立することが可能になる。
すでにレゴリスを模した月の模擬表土で1.5トンの壁は印刷されている。現在は、月の環境に近づけた真空チャンバーを使って3Dプリンターのテストが行われているという。
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月面上で3Dプリンターを活用するというアイディア自体もなかなか斬新ではあるが、3Dプリンターで使用する材料が月の砂というのがなお一層素材分野の将来性を感じさせてくれる。
いずれ将来、粉末冶金業界や金型業界でも宇宙で採掘された新素材が使わられる日も近いのかもしれない。
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