引用元:<http://www.gizmodo.jp/2014/03/post_14027.html>
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えっ、家庭のゴミがコンクリートになるの? 超身近な奇跡の材料について東京大学コンクリート研究室で聞いてきた
知られざるコンクリートのエコな世界。コンクリートは、リサイクルが当たり前。90%以上がリサイクルされています。例えば、廃材となったコンクリートは砕かれて、道路の路盤材としてアスファルト舗装の下に配置されています。そもそも驚くことに、リサイクルなんちゃらの話以前に、コンクリートに必要なセメントは、その大部分がゴミから作られているのです。
石田教授「1トンのセメントのうち、450キロ程度はゴミでできているんですよ」
え? ゴミ? 450キロものゴミ?(セメント協会参照)
ここでいうゴミは、木屑やら廃プラスチックやら廃タイヤやらの廃棄物やら。
石田教授「ゴミを1450℃という高温で焼くことで、カルシウムやシリカ等のセメントに必要な原料になるんですよ。例えば、今はセメント1トンに対して450キロ程度使っています。
これは日本独自の技術。ゴミ処理によってインフラの源が賄われているともいえますね。
この量はかなり多く、セメントを作らないとゴミが処理できずに困ったり、逆にゴミがないとセメント作りも困ってしまうほど。
火力発電所の灰だってセメントの原料になります。何だってセメントの材料になってしまうのです。清掃工場の焼却灰100%で作るインパクト大のエコセメントというものもあります。
エコセメントは家庭から集まってくるゴミの焼却灰だけでなく、埋め立て地から昔の灰も掘り起こして作られます。コンクリートを構成するセメント、これは世の中を循環させる一大拠点と言えるでしょうね」
地底でも、宇宙でも。まだまだコンクリートの奇跡が生まれる可能性は無限大。経験と共に発達してきたコンクリート。さらなる経験と学問としての研究が進めば、さらに新しい発見や進展が見込めるのではないでしょうか。
例えば地下深くで使うコンクリートの研究にも、石田教授は携わっています。
石田教授「地下2000メートル以上の深さにCO2(二酸化炭素)を埋め、温暖化を抑制しようというプロジェクトが海外を中心に進められています。
ただ地中には地温勾配というものがあり、地下に行けばいくほど高温高圧になります。そのような環境だと、埋めるはずのCO2自体が超臨界状態という特殊な状態に変化するため、それがコンクリートにどういう影響をもたらすのか?ということを前もって明らかにしておかなければいけません」
「去年、高温高圧でCO2が超臨界状態になった際のコンクリートの状態/変化に関する実験を行ったんですが、驚くべき結果が出ました。一般的に、極限の状態にさらされると劣化しそうな印象もあったのですが、通常では考えられないくらいのスピードでコンクリートの強度が増したんです」
「実は二酸化炭素と反応してコンクリートが強くなるというのは先祖返りの反応とも言えます。セメントの原料である石灰石には元々CO2が含まれているんですよ。
CO2を除いて敢えて不安定な物質にすることで、水と反応する性質をもたせて加工しやすくしているんです。が、セメントが固まる際に、そこに再びCO2を戻してやると、ものすごく安定した素材ができる可能性があることがわかってきました」
CO2を活用したコンクリートはこれまでにも幾つか開発されていて「CO2-SUICOM(スイコム)」や「EIEN(エイエン)」というものがあります。
これらはセメントの中に特殊素材を混ぜたものでCO2と反応するコンクリート。スイコムは強制的にCO2を吸い込むエコな素材で、エイエンは寿命が1万年とも言われるほど頑丈なもの。その耐久性から海の構造物や放射性廃棄物処分場などで活躍を期待されているんだとか。
このように新しい融合によって強度が増せば、深海や宇宙など、地上よりももっと苛酷な状況でインフラができちゃいそうだし、温暖化防止にも役立ちそう。地下深くにコンクリートを埋めるという発想からこれだけ広がりが見えるなんてワクワクしちゃいます。
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コンクリートがこんなにもエコな素材とはまったく知りませんでした。
これからコンクリートを見る目も変わってしまいますね。
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