引用元:<http://wired.jp/2017/06/21/teach-kids-electricity/>
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4歳から始める 「ねんどで学ぶ」電気回路学習キット「Dough Universe」
4歳児に電気回路の仕組みを尋ねてみても、きっとポカンとした表情が返ってくるだろう。しかし、どうすればモンスターの目を光らせられるか尋ねてみれば、彼らは電気を通す粘土の固まりにLEDを差し込み、こうすれば電気の力で目が光るのだと教えてくれるだろう。
子どもだって、技術的な概念を理解できる。ただ、それには正しいツールが必要なのだ。
「子どもには技術そのものではなく、その技術を使って何ができるかに焦点を当てて教えるべきなのです」。そう話すのは、教育玩具メーカーTechnology Will Save Usの共同創業者、ベサニー・コービーだ。同社の最新製品「Dough Universe」は粘土に似た素材を使って、電気回路の複雑な概念を用意に学べる知育玩具だ。これをつかって子どもたちは、さまざまな動きや音、光を発する作品をつくることができる。
Tech Will Save Usは、さまざまな科学的概念を一つひとつ違うキットに盛り込んでいる。ピカピカ光る生き物をつくれるキット「Bright Creatures」では、回路のつくりかたと電気のプラスマイナスについて学べる。また「Squishy Sounds」は、楽器をつくるためのキットだ。「このキットでは電気抵抗について学べます。大きさや形が異なる作品をつくることによって、さまざまな種類の音が生まれるのです」と、コービーは説明する。「Electro Machines」キットを使えば、子どもたちはつくった作品を動かすことができる。
なぜ「粘土」なのか
Dough Universeのキットに入っている「Electro Dough」(電気粘土)は、セント・トーマス大学の「Squishy Circuits」をモデルにつくられている。Squishy Circuitsは、導電性と非導電性の粘土を用いて子どもたちに電気回路の基礎を教えるプロジェクトだ。
考案したのは、セント・トーマス大学プレイフル・ラーニング・ラボの代表アンマリー・トーマス。娘たちがもっているおもちゃが、まるで自分にも娘たちにも仕組みがわからないブラックボックスのようだと感じたことがきっかけだった。「子どもたちは音や光を出すおもちゃをもっていたのですが、3歳児にその仕組みを説明する簡単な方法がなかったのです」と彼女は言う。
子どもにはんだごてを使わせるわけにもいかない。万が一使えたとしても、金属や集積回路、ワイヤーは学習に適した素材とはいえない。「組み立てに間違えたら、元に戻すことができません。そこでおしまいなのです」と、トーマスは言う。一方、粘土であれば何度でもつくり直しが可能だ。実験と失敗が可能な素材があることで、子どもたちも挑戦しやすくなる。「すぐに失敗してしまうせいで、子どもたちが自信をなくしたり自分のクリエイティヴの可能性をみつけられなくなるのは避けたいのです」と、コービーも言う。
Electro Doughのような玩具が、ほかの学習方法と違うのはその点だ。あらかじめ決められた結果に到達するために、難しいスキルを教えるのではない。子どもに自ら学ばせることで、問題解決を促すのだ。
粘土で遊ぶ子どもたちが将来、電気回路や機械工学の専門家になるとは、コビーもトーマスも思っていない。プログラミングを学ぶ子どもが必ずしも開発者になるわけではないのと同じようにだ。「子どもがレゴで建物をつくったからといって、将来は建築家になるわけではありません。重要なのは、子どもたちが自分の周りの世界にもっと興味をもつようにすることなのです」と、トーマスは言う。
結局のところ、最高の科学者とは科学の知識が最も豊富な人ではなく、その知識を最も創造的なやり方で生かせる人のことなのだとトーマスは言う。「数学や物理の知識だけあっても、新しい考えは生み出せません。それらの知識をツールとして使う創造的なひらめきが必要なのです」
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これは大人でも十二分に楽しめそうです。