スマホで撮ったら報酬がもらえるワケは?[動画あり]

引用元:<https://wired.jp/2017/08/21/wanna-help-self-driving-cars-turn-on-your-phones-camera/

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運転の様子を「スマホで撮影」するだけで、ドライヴァーが報酬をもらえるアプリが登場──その仕組みとは?

 

あなたがプロの運転手なら、自動運転技術が自分の生計に影響するのではないかと不安に思っているかもしれない。それはもっともな話だ。

 

しかし、あなたが「長いものには巻かれろ」タイプで、いずれにせよ避けられない自律走行の実用化を後押ししつつ、多少の収入も得たいと考えるタイプなら、ぜひお勧めしたいアプリがある。スマートフォンのカメラで運転中の道路を撮影し、録画した映像を提供することで、走行距離に応じて報酬が得られるアプリ「Payver」だ。

 

自律走行車が安全に道路を走るには、詳細な地図が必要となる。このアプリを開発したLvl5は、そのための地図の作成にフォーカスした新興企業だ。これらの地図は、車両に搭載されたカメラやレーダー、LiDAR(ライダー)で道路状況を読み取る際の情報源となる。走行予定の道路について基本的な状況が事前にわかっていれば、走行中の障害物にも対応しやすくなるというわけだ。

 

クラウドソーシングで地図情報を生成

自律走行用のマップに要求される精密さは、よくあるスマートフォン向けマップや、紙の地図に掲載されている情報のレヴェルをはるかに超えている。道路の名前や、どこが一方通行になっているかといった情報だけでは不十分なのだ。一時停止を促す「止まれ」の道路標識、信号機、車線、縁石など、道路に付帯するすべての要素の位置を、1センチ単位で正確に特定しなければならない。

 

Lvl5は、2016年に3人のエンジニアによって創設された。うち2人はテスラのオートパイロット技術を手がけていたヴェテラン技術者、もう1人はアイロボットに在籍した実績がある。3人はスマートフォンに搭載されているカメラに着目し、走行時に運転者と行動を共にしているスマホのカメラからクラウドソーシングでデータを集めることで、道路の詳細なマッピングを容易に実現できるのではないかと考えた。この計画における最初のステップがPayverだ。

 

このアプリは誰でもダウンロード可能だ。スマートフォンのカメラをフロントガラス越しの進路が見える場所に設置して走行中の動画を収録すると、走行距離1マイル(約1.6km)ごとに1~5セントの報酬に相当するポイントが得られる。ほかの運転者が走っていない道なら、報酬はアップする仕組みだ。

 

カメラが捉えた道路の映像は、Lvl5のサーヴァーにアップロードされ(標準設定ではWi-Fiが使用される)、同社のソフトウェアによって信号機や車線、「止まれ」の標識など道路に関する主要な要素がピックアップされる。こうして、高価なLiDARや専属の運転手を使わなくてもマップを作成できる。

 

一度マッピングが終了した区間についても、さらにユーザーが走行することで、各要素が正しい位置にマッピングされているかを確認したり、道路にいままでになかった穴が空いているなどの新しい情報を得たりできる。

 

自動車メーカーとの協業も開始

Lvl5のアンドリュー・クーリ最高経営責任者(CEO)は、「我々のアプローチは、コンピューターヴィジョン用のソフトフェアとクラウドソーシング、そして広く普及していて入手しやすいスマートフォンを組み合わせたものであり、アクセスが容易な技術となっています」と説明する。

 

自動運転技術を開発する企業の多くは、カメラとLiDARを搭載したクルマを自ら走らせ、道路に関するデータを収集している。テスト走行ならこのやり方でも問題ないが、走行エリアをさらに拡大していくなら、この方法では難しくなる。それに、誤ったデータを車両に提供することを防ぐには、おそらくは数日単位での頻繁な更新が必要になる。

 

そこでLvl5は、ひとまずPayverを立ち上げ、自律走行分野における大手企業からの協賛を取り付ける前に、ゼロからマップを作成して自らの技術の可能性を示す戦略を採った。いまでは複数の自動車メーカーと共同で試験的なプロジェクトを実施するまでになったという。自動車メーカーとの正式な提携に至れば、スマホのカメラで動画を撮る個々の運転者に報酬を払うことなく、車両に備え付けられたカメラを利用して、はるかに多くのデータを得ることが可能になる。

 

「この戦術は非常に理にかなっています。いまはこの分野に関連する誰もが、何らかの形でクラウドソーシングの活用を考えている状況です」と評価するのは、デジタル地図事業を手がける企業HEREで自律走行車向けのマッピング部門を率いるジョン・リステフスキだ。

 

HEREはノキア傘下だったが、2016年に自動車メーカー3社(BMW、アウディ、ダイムラー)が共同で買収している。全米、さらには全世界から継続的にデータを収集するのであれば、クラウドソーシングを選ぶのが自然な道と言えるだろう。テスラが自動運転技術の「オートパイロット」を搭載した車両で活用しているのも、まさにこのタイプの、実際に走行する車から得られたデータを用いる学習システムだ。

 

新たにテスラ車を手に入れたオーナーは、クルマのディスプレイに次のようなメッセージが表示されるのを見たはずだ。「当社は、当車両の外部撮影カメラを用いた短い動画映像を収集します。この動画から得られる情報は、車線や道路標識、信号機の位置などを認識する技術の向上に用いられます。さまざまな車両から得られる道路の状況を学習することで、テスラの自動運転能力はさらに向上します」

 

Lvl5の今後は、Payverアプリで十分な数の運転者を確保し、多くの場所の映像を収集できるかどうかにかかっている。同社が自らの技術で精度の高いマップを作成できれば、自律走行車の開発を目指す企業のいずれかから、その地図製作スキルを求められる未来も期待できる。

 

CEOのクーリによれば、Lvl5は最近の数カ月で2,500人の運転者を確保し、米国の高速道路90パーセントを走破したという。HEREのリステフスキによれば、生成されたマップの質にもよるが、これは上々のスタートだという。とはいえ、世界にはマッピングすべき道路がいまだに数多く残されているのも事実だ。

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やっぱりデータがないことには始まらないですからね。

 

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