引用元:<https://japanese.engadget.com/2018/11/05/mit-gps/>
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複数ドローンで不明ハイカー捜索をアシスト。MITがGPSに頼らないシステムを開発
ドローンは、すでにさまざまな業務の現場でも活躍する機器になっていますが、森林などでGPSの電波が遮られてしまうような場所は少々苦手です。しかしマサチューセッツ工科大学(MIT)は、GPSに頼らず自律飛行するドローンをによって森林での捜索活動を手助けする技術を開発しました。
この方法では、自動運転車などが周囲を3DマッピングするLiDARを搭載したドローンが位置推定や飛行経路計画を自動で行い、短時間で森林の捜索範囲を地図化できます。
LiDARを装備した複数のドローンは、方角を含む樹木の配置を3Dマップ化しながら自律的に飛行します。その飛行軌跡はコンピューターのマップ上に表示されるため、塗り絵を塗りつぶすようにドローンを飛ばすことで、くまなく森林のマッピングが可能になります。
そして、できあがったマップデータを既存の地図と付き合わせることで、人力による捜索を前に不要な場所を範囲から除外できます。単純にドローンを使ったマッピングを行なうだけでも、事前に森の状況が把握できます。さらにドローンは移動速度を可能な限り落とさずにマッピング範囲を拡大していくので、一刻をあらそうような場合はさらに効果を発揮しそうです。
チームは、NASAラングレー研究所内の森林で2機のドローンを用いて試験を実施しました。そして各無人機は約2〜5分で約20平方メートルの領域をマッピングでき、そのマップをリアルタイムでマージさせることができたとのこと。また、マッピング時の全体的なスピードと所要時間、森林の特徴の検出、マップの正確なマージといった項目で良好なパフォーマンスを発揮できました。
ただ、この方法にも不利な点がないわけではありません。このシステムはいまだ各ドローンからのマッピングデータを合成するために、地上局となる設備を用意する必要があります。また、ドローンが探しているハイカーに遭遇したときに、それを認知できるシステムはまだ搭載されていません。もちろん、将来的にはこれらはクリアされ、ドローンが要救助者を発見した際はマップ上にピンを立てて捜索チームに知らせるようになる計画です。
MITは将来的にこの地図データを共有しようと考えています。すでに森林内のオブジェクト認識は十分な精度に達しているとのことで、あと少しばかりの足りない機能を補って実用化されれば、行方不明ハイカーの捜索は大きくスピードアップすることになるはずです。
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他の分野にも応用がききそうです。