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キヤノンが新しいインスタントプリントカメラでチェキに挑む
長く人気を博してきたインスタントプリントカメラが新たな展開を迎えようとしている。インスタントプリントカメラは富士フイルムのInstaxシリーズ、チェキが市場を牽引してきたが、そこへキヤノンが新しいカメラを2モデル投入して戦いを挑む。しかしデジタルプリントの品質がネックになるかもしれない。
キヤノンの新しいカメラの名前はわかりにくく意味不明だ。米国では IVY CLIQとIVY CLIQ+、ヨーロッパではZoemini CとZoemini Sという名前で発表された(訳注:本稿公開時点で日本では発表されていない)。名前はわかりにくいものの、デバイス自体は極めてシンプルだ。ただ、ローエンドモデルはあまりお勧めできない。
コンパクトなCLIQ+(ハイエンドモデル)には800万画素の小型のセンサーが搭載されている。カメラに内蔵されている2×3インチのZinkプリンタには十分な画素数だ。プリンタには10枚まで用紙をセットでき、急いでいてもすぐにプリントできる。対応アプリで写真の微調整や罫線の追加、切り取り、複製などもできる。
しかしここに問題がある。Zinkプリンタがあまり良くないのだ。1枚あたりのコストはInstax Miniの半分以下で、まとめ買いすればおそらく4分の1ほどになるだろう。しかし明らかに品質の差がある。Zinkの初期の頃に比べればだいぶ良くなったが、それでも解像度と色の再現性はインスタントフィルムの標準には達していない。Instaxが完璧とは言わないが、良く撮れている写真なら色は美しく、ピントがくっきりした写真ではないにしても細部まで自然に表現される。
インスタントプリントの流行は、メカニカルなもの、アナログなものが好まれる傾向と関連しているという一面もある。携帯電話でたくさんの写真を撮ってもあとからそれを見ないということに飽きた人々が、携帯電話はバッグに入れたままで、アプリもワイヤレス接続も使わずに写真を楽しめることに再び熱中している。
スマートフォンのアプリにワイヤレスで接続するデジタルプリンタとデジタルカメラでは、このトレンドに乗ることは難しいだろう。画質を気にせず、アナログの技術に親しみがなくて、ただ友だちにあげるプリントシールを作ったり写真にメモを入れたいだけの若いデジタルネイティブ世代や子どもたちにとっては、キヤノンの新しいカメラは安くていいオプションになり得る。
リングフラッシュ搭載で800万画素のCLIQ+(Zoemini S)は160ドル(約1万8000円)。ローエンドのCLIQ(Zoemini C)は100ドル(約1万1000円)で、500万画素、スマホアプリに対応していない。センサーとプリンタの限界を考えるとフラッシュは高性能の方がいいと考えられるが、残念ながらローエンドモデルのフラッシュは黄色みがかった色で、私はあまり魅力を感じない。
キヤノンの新しいカメラは1〜2カ月以内に販売開始の予定。
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チェキっていったら富士フィルムという牙城をキャノンがどう崩していけるか気になります。
なんだかんだアナログ的な需要ってありますね。