引用元:<https://japanese.engadget.com/2019/11/21/5g-cyber-tyre/>
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ピレリ、滑る路面状況を5Gで共有する「Cyber Tyre」発表。危険区間さしかかる車にあらかじめ警告
コネクテッドカーは自動車1台1台の位置を常に把握し、渋滞や災害発生時などの交通状況データを他のドライバーのナビゲーションに反映させたり、災害情報として自治体に共有したりと言ったことを可能にします。そしてイタリアのタイヤメーカー、ピレリは、タイヤメーカーの視点から5G通信をコネクテッドカー技術に活用する「Cyber Tyre」システムを発表しました。
このシステムは、雨天などの際に路面にたまる水の状況をタイヤに備えるセンサーや自動車の走行データから分析し、水に乗って自動車がコントロール不能になるアクアプレーニング現象を起こすリスク情報を、5G通信を介して中央のサーバーに送ります。そして、やはり5Gの低遅延通信を活用して、その危険な区間にさしかかる別の車両へすぐに情報を送ることができます。
タイヤは自動車が道路に接する唯一の部品であり、Cyber Tyreのセンサーは路面情報をじかに収集できるという特徴を持ちます。またピレリは、センサーは路面の濡れ具合だけでなく、将来的にはタイヤのすり減り具合を警告したり、走行中の異常な負荷などの情報を検出することもできるようになると述べています。
もちろん、Cyber Tyreのセンサーからの情報は自動車の自動制御や運転支援システムにも利用され、安全性や快適性、さらには「パフォーマンスの大幅な向上」にも役立てられるとのこと。
ピレリはアウディ、イタルデザイン、KTH、エリクソンといった名だたる企業とともにこのCyber Tyreを発表しました。まだこのタイヤが市販される具体的な時期は定かではないものの、新技術は安全と自動車のパフォーマンス両方を改善するはず。
ちなみにピレリは現在、モータースポーツの最高峰、F1にタイヤを供給する唯一のメーカーです。そしてF1では、各チームが独自にタイヤの内圧と温度を測るセンサーを導入していますが、これが2021年よりFIA供給の共通センサーに変更される予定。今年夏には、その共通センサーを開発するメーカーの入札が行われました。もしかしたらピレリ自身もこれに応札するためにセンサーを開発し、その結果生み出された技術がこのように市販製品に還元されているのかもしれません。
ちなみに、最新のF1マシンのフロントウィング上面にはチュッパチャプスのような形状の物体が取り付けられていますが、あれもタイヤの表面温度を測るためのセンサーだと言われています。F1を含むモータースポーツ全般が「走る実験室」と呼ばれ、様々な先端技術が生まれる場所になっているのは、今も昔も変わりありません。
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消耗品はセンサーとの相性がやっぱり抜群いい。