引用元:<https://japanese.engadget.com/jp-2020-02-10-tesla-steering-wheel-patent.html>
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テスラ、タッチパネルを内蔵したステアリングホイールの特許を出願
電気自動車メーカーのテスラが、ステアリングホイール(ハンドル)のスポーク部分にタッチパネルを搭載する、新しいユーザーインターフェイスの特許を出願しました。ステアリングを握る右手と左手の親指で、タッチパネルをタップしたり、スライドしたり、スワイプすることで、様々な機能を操作することが可能です。
例えば、横方向に指をスワイプすれば、カーオーディオで現在再生されている曲を、トラックリストに収録されている次の曲や前の曲に飛ばすことができます。同様に縦方向に親指を動かせば、音量を増減できます。長押しすれば音声コントロール機能が起動します。
その際、タッチパネルのヴァイブレーションとサウンドでフィードバックされるので、操作したことが触感や耳で確認できます。つまり、手はステアリングを握ったまま、目は前方を見たままで、安全にインフォテインメント等の操作が可能というわけです。
このインターフェイスは、ダッシュボード中央に設置された大型ディスプレイとも連動しており、メニューを移動したり選択したりするのにも使えます。ナビゲーション・システムの行き先を設定したり、エアコンの風量および温度調整も、ステアリングから手を離さずに行えます。
また、アダプティブ・クルーズコントロールの速度や、先行車両との車間距離などの設定も、このタッチパネルで変更できます。
現在も同様のインターフェイスは、多くの自動車メーカーがステアリングに備わる物理スイッチで提供していますが、タッチパネルに置き換わることによって、より多彩な操作が可能になるはずです。
さらに、テスラの考えたステアリングホイールは、スポークの下側にもタッチスクリーンが搭載されており、そこに「パーキング」「リバース」「ニュートラル」「ドライブ」と、ギアシフトのポジションを示すインジケーターが備わります。
ステアリングコラムから生えたウインカーレバーのようなテスラのシフトセレクターはやがて姿を消し、ステアリングホイールのスポークをタッチしてシフトする方式に変わるのかもしれません。
また、このステアリングホイールには、RFID検出機能(電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み取る機能)や、NFC(近距離無線通信)によるアクティベーション機能も搭載可能とのこと。クルマを始動させるためのキー代わりにもなるようです。
「オートパイロット」という名称で、運転の自動化をいち早く進めてきたテスラですが、2020年現在、世界はまだ完全自動運転の実用化という段階には至っていません。自動的にステアリングを制御する機能がクルマに搭載されていても、ドライバーはステアリングホイールから手を離さず、いつでも自分でステアリングを操作できる状態にしておかなければなりません。
つまりテスラをはじめとする自動車会社は、完全自動運転の実現に向けて尽力しながらも、当面の間はドライバーにステアリングホイールを「いかに握ったままでいさせるか」ということも考える必要があるのです。
また、テスラが2020年に発売を予定している新型ロードスターは、自ら積極的にステアリングを握りたくなるクルマと言えるでしょう。
とはいえ、このタッチパネル内蔵ステアリングホイールは、まだ特許出願の段階であり、このシステムが市販車に採用されると決まったわけではありません。とりあえず思い付いたアイディアをまとめて特許を取得しておくということは、自動車会社ならずともよくあることです。
ただ、新型ロードスターの試作車に装備されていたステアリングホイールを見ると、これがそのまま市販モデルに装備されるとは思えません。ミニマリスティックで美しいこの変形ステアリングに替わり、ハイテクなタッチパネル付きのステアリングホイールを装備して、テスラの新型ロードスターが公道を走り始めても、驚くことはないでしょう。
なお、テスラは昨年、クルマのウィンドウに付着した汚れを、レーザー光線で除去する技術の特許も出願しています。
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テスラは攻め攻めな姿勢ですね。